工事担任者は取得しても意味がない?!資格取ってどうなるの?
こんにちは、インフラエンジニアの若葉です。
電気通信の工事担任者(一般財団法人日本データ通信協会)は「取得しても意味がない!」と言われることが多いです。実際はどうなのでしょうか?
2つの疑問について、私の体験談を交えて解説します。
それでは、どうぞ!
この記事を書いている私「若葉」はこんな人です。
- 電気通信主任技術者(伝送交換・線路)選任者として設備の維持管理業務責任者
- 1級電気通信工事施工管理技士、監理技術者
- 工事担任者 (旧総合種取得)
- 第三種電気主任技術者(非常用自家発電機管理)、第一級陸上無線技術士(陸上固定局、移動局管理)
- その他、電気・通信系以外にも複数資格所有
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これは本当におすすめです。
工事担任者資格って役に立つの?
結論からお話すると、工事担任者の資格は役に立ちます。ですが「意味がない」と言われる理由も分かります。
なぜ、意味が無いと言われるのでしょうか?
その理由を説明します。
意味がないと言われる理由は?
工事担任者資格の必要性について、電気通信事業法第七十一条でこのように定められています。
(工事担任者による工事の実施及び監督)
第七十一条 利用者は、端末設備又は自営電気通信設備を接続するときは、工事担任者資格者証の交付を受けている者(以下「工事担任者」という。)に、当該工事担任者資格者証の種類に応じ、これに係る工事を行わせ、又は実地に監督させなければならない。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。
出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp) 電気通信事業法
工事担任者有資格者の監督の下であれば、資格所有していなくても接続可能なの?
作業者が必ず有資格者でなければならない電気工事士と違い、資格所有者の実地に監督の下での作業であれば、有資格者でなくても接続工事はできることから意味がないと言われる理由の1つです。
資格手当はどのくらいもらえるの?
実地に監督ということで、施工現場での責任はとても大きいです。
その分の対価は当然欲しいですよね。
資格手当の相場は、取得時一時金のみ~月5,000円程度が多いです。
1万円以上の手当がある会社もありますが、稀ですね……
資格手当がもらえるなら、資格を取得する意味はあるかもしれません。
就職や転職の際に役立つの?
工事担任者資格を取得していると、就職や転職の際に「スキルの証明」や、実務経験があれば「監督者としての実績」で有利になることがあります。
しかし、電気工事士と違い有資格者の実地監督の下で接続工事を行うことができますので、採用担当者からすると無資格でも実務経験者の方が採用しやすいかもしれません。
意味がないわけではもちろんないけど、なんか資格取得のメリットって少ないかも……だから意味がないと言われるのかな?
キャリアパスを考えることが大事
それじゃあ、工事担任者の資格は取得を目指さなくていいの?
ということになりますが、そういうことではなく、工事担任者資格は電気通信(弱電)工事の業界でキャリアアップをするならばとても役に立つ資格、もっと言えば取得していて当たり前の資格であると感じます。
工事担任者資格取得は、今後のキャリアの通過点にしか過ぎないのです。
キャリアの通過点??
資格取得後を想像する
工事担任者資格の勉強をすると、アナログ通信やITインフラを含めたデジタル通信技術についてとても知識が付くと思います。
電気通信設備と端末設備を接続できるいわゆる工事系の資格ですが、資格取得後に進む道は人それぞれ違うため、資格勉強を始める前から資格取得後のキャリアについてイメージしてみてください。
工事担任者のキャリアパス具体例
電気通信業界のキャリアパスは、次のような例があります。
それぞれ、具体例を紹介します。
電気通信工事職として現場を極める
厚生労働省ホームページの電気通信工事業人材育成のために資料では、次のキャリアパターン例があります。
5年程度実務経験
8年程度実務経験
工事担任者有資格者の場合は、STEP1で数年の短縮、またはSTEP2からスタートが可能です。
実地の監督ができるということは、班長や職長に相当する管理責任能力を早くに経験ができるためプロフェッショナルとして成長することができます。
施工管理・設備運用管理業務へ進む
5年程度実務経験~2級電気通信工事施工管理技士、主任技術者
5年程度実務経験~1級電気通信工事施工管理技士、監理技術者、専任技術者
施工管理を行うためには、現場作業のことも知らなければできません。
2019年に新設された「電気通信工事施工管理技士」国家資格取得により、監理技術者になる道もあります。
電気通信工事施工管理技士は、実務経験や1級の場合は指導監督的実務経験も必要になることから、現場の実務作業をしっかり理解しなければなりません。
工事担任者資格取得で必要な知識を身に着けてから、施工管理業務を行うことで早くにプロフェッショナルである監理技術者になることが可能です。
電気・無線通信関係資格やビルメンテナンス(ビルメン)関係などの他の資格取得
ビルメンテナンス業務は、電気工事士や危険物乙4など主要な資格がいくつかあります。よく言われるビルメン4点セットや三種の神器と呼ばれる資格の中には「工事担任者」は含まれていません。
しかし、ビル設備には電気通信設備もたくさんあります。
工事担任者資格を取得することでトラブル時にも迅速に原因予測することができますし、そのような担当者はとても重宝されます。
確かに、関係するいろんな資格を取ってみたくなるね!
就職や転職、スキルアップもできる!!
IT系エンジニアの分野に進む
工事担任者資格のデジタル通信は、IT系の分野も学びます。
通信ネットワークや、更に上位レイヤのアプリケーション分野まで興味や追及する道も可能性として広がります。これらのキャリアパスは工事担任者資格取得することで、グッと早くなります。
私は工事から施工管理、運用など実務を経験し、今はIT分野のインフラエンジニアとしてネットーワークやサーバーまで配信プラットフォーム構築運用もしています。
この原点となった資格は工事担任者なのは間違いありません。
工事担任者の資格からいろいろなキャリアに進むことができるね!
意味がないと言われる工事担任者資格ではありますが、取得後のキャリアパスへの通過点・原点として必要なスキル・資格であると思います。
まとめ
工事担任者資格は意味がないということは、決してありません。
資格取得後はいろいろな道へ進むきっかけとなる資格です。
「有資格者の監督のもとで作業できる」という意味では必ずしも必要では無いですが、個人としてのキャリアを考えた場合、取得することで得られるメリットはとても大きいです。
電気通信の業界は日々の技術進歩が早いため、資格取得したあと自己研鑽を続ける必要があります。しかし、スキルアップ・キャリアアップは確実にできます。
将来のキャリアパスをイメージしながら、工事担任者資格に挑戦してみませんか?
他の資格やエンジニアへのステップアップとして、こちらの記事もおすすめです!
読んでいただいてありがとうございます!
新しく何かをはじめようとしているあなたを応援します。
それでは、若葉でした。